鍵屋のコラム

鍵の不正解錠

カム送りという手口があります。
別名バイパス解錠とも呼ばれており、以前は鍵屋の鍵開け手段の一つでしたが外部へ流出し、不正解錠の手口の一つに数えられるようになりました。
カム送り解錠はシリンダーカラー(シリンダーのドアの外側に設置されている鍵穴がある部分)とドアの間に生まれるわずかなすき間を利用して行われます。
このすき間に特殊な針金を差し込み、シリンダー内部のカムを直接操作して解錠します。シリンダーカラーとドアの間にすき間がある理由はドアの厚さに対応するためですが、実際この手口を行うことが可能なシリンダーはMIWAロック製のLA、BH・LDの製品のみと言われています。

カム送りによる鍵の不正解錠を防ぐにはどういった対策を行えばよいでしょうか。
まずはシリンダーカラーとドアの間のすき間をなくすことでしょう。
スペーサーを使えばこのすき間を埋めることが可能です。スペーサーはシリンダー交換の要領で一度シリンダーを取り外し、すき間がなくなるまで数枚噛ませます。通常幅は2mmから3mmが用意されています。

また、もう一つの有力な手法として完全にすき間がないタイプのシリンダーに交換する方法があります。
ロイヤルガーディアン製のシリンダーならすき間がなく、カム送り対策をすることが可能です。